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2005/04/22

靖国問題(その2)

昨日は靖国問題の対外的な面について書いたが、今日は国内問題としての靖国問題、特に祀られる資格についてごくごく個人的な意見を書きたいと思う。

日本には「死人には鞭を打たない」という伝統がある。しかし、必ずしもそれは美徳だとは思わない。それはもう一つの日本人の特性「責任の在処をうやむやにする」ことと同根だからだ。

太平洋戦争では多くの将兵が国のために死んでいった。そうした将兵を慰霊する場は必要だ。しかし、同じ場所に祀るのにふさわしくない人達がいると思う。愚かな判断で兵士を無駄死にさせた指揮官たちと、国を誤った方向に導いた指導者たちだ。

具体的に言えば、ガダルカナル島奪回の見込みが無くなったあとも撤退も降伏も決断できず、1万2千の戦死者のうち8千人以上の将兵を飢餓と病気で死なせた軍部。インパール作戦で兵站のないまま行軍を強行し5万人の将兵を飢餓と病気で壊滅させた参謀。沖縄戦で住民をも巻き込んだ玉砕戦を決定した軍部。すでに敗戦は決定的だったのに、いたずらにポツダム宣言受諾を遅らせ、2発の原爆投下と北方領土をぶんどられる結果を招いた指導者。もちろん戦争反対派を次々粛正して無謀な戦争に突入していった軍人、政治家達もだ。例を挙げたらきりがない。

命を紙屑のように扱われ無駄死にしていった兵士たちが、その責任をとるべき張本人たちと同じところに一緒くたにに祀られても何も嬉しくないと思う。少なくとも僕はごめんだ。例えは悪いが、バブル期に経営者が無謀な土地投機をして失敗し会社が傾いたあげく上司にいじめられてリストラされ自殺に追い込まれたサラリーマンが、その上司や会社経営者と同じ墓に入れられるようなものである。

靖国神社を戦没者の慰霊の場とするならば、戦争犯罪人達を慎重に排除しなくてはならない。この戦争犯罪には自国の将兵に対する犯罪も含まれる。
まあ、だいたい軍の上層部のダメな指揮官に限って戦後までのうのうと生き残って、普通のお寺の墓に入っているのだろうが。

昭和天皇はA級戦犯が合祀されてから、それまで数年に一度行っていた靖国神社参拝を取りやめた。昭和天皇は常に国民の事を案じている人だった。その心の内を推し量ることは出来ないが、恐らく、国を誤った方向に導いた指導者たちを祀った神社に詣でることは耐え難かったのだろう。

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