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2009/06/01

性暴力ゲーム規制議論について(その2)

昨日はお定まりの政治家批判をしたが、一方の当事者である業界の対応を見てみると……

自民党の会合に出席した経済産業省幹部は、パソコンソフト業界の自主審査機関によるこれまでの対応として、〈1〉問題の性暴力ゲームの販売中止を流通関係企業へ要請し、国内で購買はほぼ不可能になった〈2〉「陵辱系」と呼ばれる性暴力もののゲームソフトは製造・販売を禁止する検討を行っている――と説明した。
「性暴力ゲーム規制強化へ、与党が流通歯止め検討チーム」(2009年5月29日23時20分 読売新聞)より抜粋

なんともはや、フットワークの軽いことである。外圧で動く政治家も顔負けだ。
ポルノ産業というものは、規制と抜け穴のいたちごっこだ。お上の手が入る前に自主規制して、また様子を見ながら徐々にご禁制物を出していくつもりなのだろう。

しかし業界側にもまったくユーザー目線というものがない。自分たちの身を守るためなら、いままで製品を買ってくれていたお客様の都合など、いとも簡単にばっさり切り捨てる。結局、今の秋葉原に集まってきている業者や企業というものは、不況時にも金を落としてくれるヲタクたちの財布を狙ってやってきた、言ってみれば砂糖に群がるアリのような連中だ。そこには金儲け以外のポリシーは何もない。

僕もかつてエロゲをやっていた時期がある。98時代にアダルトゲームのひとつの黄金期があった。98と言ってもWindows98ではない、若い人にはピンと来ないだろうがNECのPC98だ。16色しか表現できないという、今では考えられない貧弱なグラフィック環境で、超絶技巧ドット画で女の子の肌の質感や美麗な背景を描写していた。

もちろん玉石混合だが、名作と呼んでも差し支えない作品が何本も登場している。
一例を挙げる。「同級生」というタイトルのゲームがあった。エルフから1992年に発売されたゲームだが、これは間違いなく恋愛シミュレーションの元祖だ。現在、家庭用ゲーム機の大きなジャンルの一つになっているギャルゲーが、元をたどると一本のエロゲにたどり着くと言う事実が、そこにクリエイティブな才能が集結していたことの証しだ。

しかし、しばらくして僕はエロゲに対する興味を失ってしまった。
Windows時代に入りユーザーが一気に増えたせいで、メーカーも発売されるゲームの本数もどっと増えたが、内容が「甘甘のギャルゲ化」か「実用本位の鬼畜化」の両極端に分化してしまい、正直好みに合わなくなってしまったせいだ。もちろん中には出来の良いエロゲもたくさんあったはずだが、それを見極める熱意がもうなかった。

ポルノの宿命としてユーザーはより過激なものを求めるようになる。行き着いた先が今回問題になった性暴力ゲームのたぐいだ。報道を聞く限り眉をひそめるような内容ではあるが、なにも驚くことはない。業界が爛熟期にあることのあらわれだ。今回の自主規制にほっとしているのは、むしろネタに行き詰まったエロゲ業界そのものかもしれない。

昔は良かったなどと言うつもりはない。昔は昔の良さ、今は今の良さがある。ただ、今はヲタク市場を、非ヲタ的市場論理が席巻している。

7年ほど前、旧ぽんつく堂HPのコラムで「このまま、消費するだけのヲタクばかりが増えていったらどうなるのだろう?」と言ったようなことを書いたが、その答えが今出ているのかもしれない。

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コメント

 まぁ、暴力系のエロゲの元祖となると、これまたアクアプラス(リーフ)の痕や雫でしょね。痕は2度目のリメイク版が再来週に出ますが。
 アキバのメイド文化も源流辿ると、To Heartのマルチですし。

 ただ、コンシューマ市場からその手の物が無くなっても、そのままアングラに流れるだけなので(有明と同人ショップで売るだけで充分ペイする本数は出るはず)ねぇ。

≫沖せんちょさん
そのタイトルころにはすでに脱落してましたので何とも言えませんが、「暴力系」という括りは少々デカすぎませんか?アダルトゲームの黎明期から、なにかしらの性暴力的要素を含んだゲームはあったと思います。
ToHeartはPS版をやりました……仕事で(笑)。

 うーん、そうかもしれませんね。
 黎明期の傑作と言った方が良いかも(痕も雫もSF要素がかなり濃かったですし)。

 なんにせよ、ある一線てのはあるでしょうし、そこを超えるとみんな大迷惑という。
 でも、これはなんにでも当てはまると思います。
 映像/音楽ソフトもカジュアルコピーが大目に見られていたものが、それで商売を始める奴が出てきて、ほとんど影響のないカジュアルコピーまで割を食うという...。
 ただ、今回はソフ倫が異様に早く動いたので、収束も早そうですけどね。
 まぁ、最近はエロゲ版がβ版で、それを元にPS2/3のコンシューマ版を出して稼ぐというパターンがありますしね(THもそうですが、ゲーム原作のアニメなんか元ネタはほとんどそうですし)。

≫沖せんちょさん
たしかに、一線を越えていたような気はします。
締め付けが入るのも時間の問題だったのかもしれません。
ただ、それが外圧ってのがムカつきます┐(´д`)┌。

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