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2009/10/14

江畑謙介氏の訃報で思うこと

すみません、やっぱりまだ引きずっています。

最初に訃報を聞いたときのショックが薄れてくるにつれて、逆に、失われてしまったものの大きさを実感してきて愕然としております。

普段巡回している軍事系のサイトやブログを見ると、やはり江畑氏の訃報に関する記事があるのですが、異口同音に「代わる人がいない」「日本にとって必要な人だった」と書かれています。

僕も全くその通りだと思います。

もちろん江畑氏以外にも信頼できる評論家は何人もいます。特に個々の分野に絞れば、非常に優れた専門家がたくさんいます。例えば僕は飛行機、それも軍用機が好きですから、この人だったら信頼できるという航空・兵器評論家を何人も知っています。

しかし、軍事評論となるとあまりにも広範な知識と情報収集力・分析力が必要とされるので、やはり信頼度と言うことで江畑氏に並ぶ人がいなかったと思います。


江畑氏が他の軍事評論家と一線を画していたのは、恐らくその「志のレベル」の違いだと思います。

日本では名乗ってさえしまえば、誰でも軍事評論家になれます。残念ながら、中にはプラモデルの説明書に書いてある程度の知識しか持っていないのに、堂々と軍事評論家の看板を上げている人もいます。

なかなか素人には、その専門家の嘘を見抜くことができません。テレビに出ている専門家がしゃべっているのだから間違いなかろうとつい思ってしまいます。

「この世にある嘘の7割から8割は実は専門家が垂れ流している」とは、分子生物学の福岡伸一博士の言葉ですが、こと軍事に関しては9割がいわゆる専門家の妄言でしょう。

どうしてこのようなお寒い状況になったかと言えば、この分野をずっと社会が忌避してきたせいだと思います。


「解説者」と「評論家」と「専門家」の区別が僕にはよく分からないのですが、少なくとも専門家と呼ばれる人たちは素人に物事をわかりやすく伝えるだけでなく、本当に情報を必要とする人に適切な批判やアドバイスを与えられる必要がある思います。

現在、民主党政権に代わり、アメリカの呪縛を脱し日本独自の安全保障政策をとろうとしている今こそ(どこまで、現実的に考えているのか全く不明ですが…)、イデオロギー抜きで冷徹に分析できる安全保障の専門家が必要とされています。残念ながら民主党内の安全保障分野の専門を自称されている方にはトンデモな人がいらっしゃいます。


常に江畑氏の傍らにいて、その仕事を支えてきた裕美子夫人が、その志を継いでいただけるのであれば喜ばしいのですが、こればかりはご本人のご意志次第ですので、外野の妄言はここまでにしたいと思います。

Ebaken01_2
以前にヨメさんが描いたえばけんイラストです。
夫婦で軍事評論家のファンというのもどうよ?…なものですが

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コメント

奥さんのイラストいいですね~
こういう雰囲気好きです。

ついこの間、
中国が10年ぶりに国慶節で
軍事パレードを行いましたね。

中国脅威論が再浮上する中で
多角的に物事を見れる人がいなくなったことは
重大な損失かもしれません。

ちょっと脱線しますが
10数年前に
アメリカでは専門家の話は信用されない
マニアの話の方が有益だ。

というような話を聞いたことがあります。
ことの真偽はわかりませんが
どこの国でも専門家というのはやっかい者なのかもしれませんね…

≫Unknownさん
>10数年前に
アメリカでは専門家の話は信用されない
マニアの話の方が有益だ。

いい話ですね。
現実として、今ではTVで専門家が話す言葉を鵜呑みにするより、ネットで何か所かチェックした方が遙かに有益な情報を得られることが多いです。

こんばんは

アメリカでは日本と違い
マニアやオタクというのは
ある種のステータスのようですね~

≫Unknownさん
それは、うらやましい。
でも、やっぱりアメリカに住みたいとは思いませんねぇ(笑)。

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